手筒花火とは?手筒の種類から火薬の種類・仕組み・構造を解説

手筒花火とは?手筒の種類から火薬の種類・仕組み・構造を解説

このコラムの内容

手筒花火の種類

手筒花火の種類は薬量(火薬の量)により分けられます。種類により片手で消費したり、抱えて消費したり、やぐらなどに固定して消費します。

保安距離は都道府県によってまちまちですが、一般的に最も小さい物で半径5メートルから10メートル、一般的なサイズの三斤花火で半径30メートルから50メートル必要とします。

片手で消費する花火

■片手で消費する手筒花火
・4分の1斤(通称ヨウカン)(薬量150g・200g)
・半斤(薬量300g・400g)
・一斤(薬量600g・800g)

両手で抱えて消費する手筒花火

■両手で抱えて消費する手筒花火
・二斤(薬量1,200g・1,600g)
・三斤(薬量1,800g・2,400g)
・四斤(薬量2,400g・3,200g)
・五斤(薬量3,000g・4,000g)

■やぐらなどに固定して消費する花火(大筒)
・六斤(薬量3,600g・4,800g)
・七斤(薬量4,200g・5,600g)
・七斤半(薬量4,500g・6,000g)

()内の薬量は鉄粉を含まない場合と含む場合それぞれの数字で、いずれが保安距離の判断基準となるかは都道府県や自治体により異なります。また薬量に対する保安距離も県ごと異なります。

尚、愛知県は他地域と比較して約半分の保安距離が認められています。全国の保安基準を当てはめると歴史ある祭りが行えなくなる神社が多いためと私は推測しております。

手で持てる最大の大きさは、愛知県では5斤(4,000g以下)です。設置して消費する大筒は6,000gまで許可されます。

よく「熱くないですか?」と聞かれますが、熱いです!
たまに「浴びても熱くない火の粉なんですよね?」といわれますが、熱いです!

手筒花火の構造

手筒花火の構造

構造

手筒花火は、竹を切り出し節を抜き、荒縄を巻いて筒状の容器とします。左右の手でしっかりと持ち抱えられるよう、上部と下部に持ち手を編み込みます。

火薬の種類

火薬は黒色火薬という火薬と、鉄粉(てつこ)を混ぜて使用します。込める直前に火薬と鉄粉に適量の焼酎を加えよく練り合わせます。

火薬には通称「小小(しょうしょう)」「小(しょう)」「中(ちゅう)」「大(だい)」「大大(だいだい)」などの種類があります(※花火屋さんにより異なります)。それぞれで噴出威力が異なります。

上の図は代表的な三斤花火の構造です。火薬ABCを、「小・中・大」「中・大・大大」のように組み合わせます。最初は噴き出し口に近いところで燃焼が始まり、面で燃焼が進みます。燃焼が進んだ後半では燃焼面と噴き出し口との距離が大きくなりますので最初より噴き出し圧力を要します。そのため、必ず火の勢いが徐々に上がるように組み合わされます。もし「小・小・小・小・小」のように組み合わせてしまうと、燃焼の後半に噴き出し圧力が弱く内圧が高まり爆発したり「小・大大・小」などでは、燃焼温度の急激な変化で爆発したりする恐れが出てきます。

火薬の燃焼が進むと、最後は「はね粉(はねこ)」に火種が到達し「大爆発」を魅せて終わります。

手筒花火の魅力の1つ、ド迫力の「ハネ」。はね粉を入れるのは見た目の派手さを目的にしていると思われがちですが、消費後の筒の中に火薬を残さないようしっかり払うことが本来の目的です。