異なるベース顔料のルミックカラーを使いこなすことでデザインの幅は一気に広がります。また発光パフォーマンスを高めるコツをつかむことでより自由にルミックカラーを使いこなせます。
ベース顔料とは
ルミックカラーのマルチカラーは蓄光顔料と着色顔料を適度に混ぜ合わせた商品です。従って「どの種類の蓄光顔料と着色顔料を混ぜ合わせたか?」という概念があり、着色のベースとなった蓄光顔料を指して「ベース顔料」といいます。
例えばベース顔料が異なり着色の番号が同じ場合、日中の見え方はほぼ一緒ですが暗所では異なるカラーに光ります。これを把握し使い分けることでデザインの幅が大幅に広がります。
ベース顔料の特性をうまく利用しよう
Blueベース
着色カラー(日中の見た目)に近い発光色。このベース顔料のカラーバリエーションだけで配色された作品は全体の仕上がりが青味がかった印象に。
Orangeベース
発光パフォーマンスは低いですが、BlueやGreenベースの補色なので挿し色に使用することで暗やみでも多彩でにぎやかな印象に仕上がります。
Greenベース
発光パフォーマンスは高いのですが、多用するとくどくなりがちなのでアクセントカラーとして小面積で使用することで全体の印象を調整するとバランスが取れます。また濁色でも比較的しっかり光るので、濁色箇所をこのGreenベースにするなどの手法もあります。
背景色の影響
蓄光では背景色(加工対象の色)の明度が発光パフォーマンスに大きな影響を与え、黒と白の場合では驚くほどの差が出ます。背景色の影響は一定の厚さ(蓄光そのものにより背景を完全に隠蔽してしまう厚さ)まで生じます。
背景色が暗く影響を強く受ける場合は、やみくもに蓄光の使用量を増やすよりも、前加工として白色を敷き背景色をしっかり隠蔽した上に蓄光を加工するのが効果的です。
黒や紺など地色が暗い色の場合や、赤や紫など彩度がしっかりしている地色の場合は必ず白を敷いた方が良いでしょう。
発光強度に大きな差!
高度なテクニック(発光色のコントロール)
発光カラーの異なる複数のLumickColorカラー蓄光を混ぜ合わせることで発光色も調色することができます。
例えばOrangeベースの0040イエローカラーとGreenベースの0040イエローカラーを適度に混ぜると、発光色もイエローとなり明るい時も暗い時もイエローというデザインが実現します。
明るい時の色調は減法混色、発光色の調色は加法混色になります。このような異なる二つの混色手法を同時に計算して調色を行うような顔料は他に存在しません。一見非常にややこしいですが、減法混色と加法混色の基本を抑えて望めばコントロールできるようになります。
狙い通りの色を作り出せた時の感動は、一般の絵の具や着色顔料では得られません。奥深く使いがいのある顔料です。まずはいろいろ混ぜ合わせ、誰にも真似できないオリジナルテクニックを磨いてください。