サイズ指定というものはございませんが、Tシャツなど繊維製品へのプリントの場合、一般的に使用されている蓄光の粒子グレードはMサイズ(約30μm)が多いです。カラー蓄光も同サイズです。
それらを使用した場合の参考値を記します。
弊社が過去に行った試験データ
最適なメッシュ
版は、#1200・#800・#500辺りを試験しました。Mサイズ(約30μm)を使用する場合、#1200はすぐに目詰まりして厳しいです。現実的なのは#800辺りからでした。
インク使用量とコスト計算
弊社が行った試験データを公開いたします。
試験に使用した版
サイズ(cm) | 総面積 | 印刷面積 | |
4.5×10.5 | 47.25 | 40.42% | 19.10 |
ベタ塗りではなく、印刷面積が40.42%(19.1平方cm)の柄物を使用。
試験データ
27,000円/1kgのインク(バインダー:蓄光顔料=7:3)を使用した場合で計算(27円/g)
刷回数 | 1 | 1 | 1 | 1 | 3 | 2 | 2 |
剥がし方 | 固定なし
ゆっくり
|
固定
置いて
|
固定
置いて
|
||||
メッシュ | 800 | 800 | 800 | 500 | 800 | 800 | 800 |
膜厚(μm) | 100 | 150 | 200 | 300 | 200 | 200 | 200 |
インク使用量(g) | 0.41 | 0.52 | 0.6 | 0.96 | 0.59 | 0.55 | 0.58 |
インク使用量(g/1平方cm) | 0.021 | 0.027 | 0.031 | 0.050 | 0.031 | 0.029 | 0.030 |
コスト【全体】(円) | 0.58 | 0.74 | 0.85 | 1.36 | 0.83 | 0.78 | 0.82 |
コスト【1平方㎝】(円) | 0.03 | 0.04 | 0.04 | 0.07 | 0.04 | 0.04 | 0.04 |
作業ロス【目欠】(g) | 0.50 | 0.48 | 0.44 | 0.63 | 0.63 | 0.51 | 0.56 |
ロス+使用量(g) | 0.52 | 0.51 | 0.47 | 0.68 | 0.66 | 0.54 | 0.59 |
コスト【全体】(円) | 14.08 | 13.70 | 12.73 | 18.37 | 17.84 | 14.55 | 15.94 |
コスト【1平方㎝】(円) | 0.74 | 0.72 | 0.67 | 0.96 | 0.93 | 0.76 | 0.83 |
まとめ
- インク使用量は目開き、版の膜厚、剥がし方などで変わる。
- 800メッシュ1回刷りでは発光が不十分。2回刷り、3回刷りを行い、1平方cm当たり0.03gを超えてくると良い。
- 弊社では0.05g/1平方cmを基準に設定した。
- 800メッシュであれば0.05gまで到達する回数を塗り回数として設定。
- 500メッシュ300μm厚の版であれば、1回刷りで目標の量がのるが、エッジが効いたデザインは潰れてしまう。デザインの輪郭をシャープにする場合は、800メッシュで塗り回数を重ねる。
蓄光の粒子はD50という規格で計測したもので、30μmグレードの場合、上は80μm~100μm辺りのサイズが極わずかながら含まれています。版を長持ちさせるには、一度ストレナーで濾して大粒子を除くと良いです。
ただ、蓄光は針状の形状をしているものが含まれます。ストレナーで濾したインクでも、どうしても紗を目詰まりさせる顔料が含まれますので紗の寿命は短いという前提でコストを出すとよいでしょう。
シルクスクリーンという表現ですので一般に繊維または紙の前提でお話いたしました。
尚、プラスチック表面などへのシルク印刷で、ロゴや小さな柄などをプリントする場合では30μmでは粗すぎることが多いです。その際には15μmグレードがおすすめです。
尚、プラスチック表面などへのシルク印刷で、ロゴや小さな柄などをプリントする場合では30μmでは粗すぎることが多いです。その際には15μmグレードがおすすめです。