浴比(よくひ)
概要
浴比とは染める物の重量と染液の量の比率。
使用例
- 前回と同じ浴比を保って染色してください。
- 浴比をしっかり記録しておいてください。
- ちょっと浴比が大きすぎるからもう少し下げてください。
解説
浴比とは被染物(染める物)の重量と染液の比率
浴比とは染める物の重量と染液の量の比率のことです。例えば、100gの衣類を4リットル(4,000ml=4kg)の染液で染めるとします。この時の浴比は、100:4,000=1:40となります(染液は1リットル=1kgとして計算します)。

もし繰り返し同じ色で染色を行いたいのであれば、浴比は重要な指標となりますのでしっかり覚えましょう。
浴比が大切な理由
例えば同じ染料データで同じ時間染色しても、浴比が大きく違いすぎると染め上がりの濃度に違いが出てしまいます。
浴比の影響は、染法により程度が異なります。例えば酸性染色では比較的浴比の影響は小さいのですが、反応染色では大きく影響を受けます。
最適な浴比は?
染める物のカサはそれぞれで異なりますので、最適な浴比はそれぞれで異なります。被染物が充分に浸かり、ムラにならないようゆとりを持って動かせるだけの染液量が望ましいでしょう。
染める単位が数gなのか数kgなのかでも変わります。通常小さい単位で染色する場合の方が浴比は大きくなるでしょう。ワタのようなフワフワしたカサのある物なら1:100から1:150、生地や糸など多少締まった物なら1:40から1:100くらいで様子を見てください。
大切なのは染めムラにならないゆとりある浴比を設定・記録し、繰り返し行う際には同じ浴比で染色を行うことです。