手筒花火っていくらくらいするの?

手筒花火の値段・費用(愛知県三河で催される町のお祭りの場合)

このコラムは、愛知県三河地方で行われている手筒花火大会の文化と、手筒の協賛費用や原価についてまとめております。

夏祭りイベントなどで業者に手筒を演出してもらう場合の値段や費用については↓のコラムをご覧ください。

このコラムの内容

各町の神社で例大祭に行われる手筒花火大会

愛知県三河地方ではたくさんの手筒まつりが行われています。その殆どは神社の例大祭に手筒花火を奉納する形式が取られております。

手筒花火大会を実施する組織(団体)は町単位で結成されていることが多く、団体ごとにメンバーの管理やお金の管理がなされます。花火の奉納は、一つの神社に対し1町(1団体)で行われる地域もあれば、一つの神社に複数の町(団体)が手筒を奉納する場合もあります。

手筒花火奉納まつりの費用は誰が負担しているのでしょうか。

費用の大半は協賛金で賄う

多くの花火大会では、掛かる費用の大半を協賛金で賄っています。花火を揚げる有志の団員が地域の個人・企業へ協賛金のお願いにまわり、寄付金を集めます。

協賛の種類

協賛には、企業や個人が特に目的なく協力してくれる協賛の他に、縁起物としての花火奉納・協賛があります。「結婚」「出産」「新築」など祝い事や「厄払い」などに縁起物として花火奉納する習慣です。

手筒花火の奉納と筒返し

筒返しされた手筒花火

結婚奉納・出産奉納などで奉納された手筒花火は、きれいに化粧され「筒返し」されます。協賛者は筒返しされた手筒花火を、縁起物として玄関先などに飾ります。

三河地方にお越しの際には、個人宅や飲食店の出入り口付近を観察してみてください。実に多くの手筒花火が置いてあることに気づくでしょう。

手筒花火の値段・相場

手筒花火奉納の協賛金の相場

町や地域によりまちまちですが、一斤1万円程度が多いようです。三斤花火奉納では3万円の協賛、五斤花火奉納では5万円の協賛といった具合です。

ちなみに協賛金は不課税取引ですので消費税は含んでおりません。協賛金を支払った企業側は「広告宣伝費」「寄付金」「交際費」などで計上します。相手に事業性がなく対価性もないため、そのまま非課税処理されるのが一般と思われます。

手筒花火の原価

手筒花火は出来上がりを花火屋さんから購入するケースは稀で、多くの場合団員が自分たちの手で筒を製作し、花火屋さんから火薬を購入して自分たちで込みます。

三斤花火(竹を使用の場合)

0円
ヤスリなど工具の償却費****
畳表0円
荒縄300円~1,000円くらい
火薬代2,500円~3,500円/1斤
三斤=7,500円~10,500円
作業代( 竹採取・筒磨き・縄巻・火薬込め )0円(奉仕)

三斤花火(紙管を使用の場合)

紙管約4,500円
畳表0円
荒縄300円~1,000円くらい
火薬代2,500円~3,500円/1斤
三斤=7,500円~10,500円
作業代( 竹採取・筒磨き・縄巻・火薬込め )0円(奉仕)

は地主さんから許可を得て自分たちで採取し、費用が発生することはほぼありません。
手筒に巻く畳表は、畳屋さんから無償で提供を受けている場合がほとんどです。
荒縄には太さの種類があり、また巻く量も人によって1重巻きから3重巻き以上の場合があります。太縄をたくさん巻くほどコストは高くなります。
火薬代は、花火屋さんや火薬の種類により値段が変わります。

備品の償却を抜いて考えると、竹を使用する手筒花火の場合で三斤花火の原価は約8,000円から12,000円というところでしょうか。紙管の場合では約13,000円から16,000円くらいになると思います。作業の一部を花火屋さんに委託した場合は、当然ながら上記より高くなります。

協賛金として頂戴する30,000円との差額は、手筒花火以外の演出花火に回したり、備品の償却や組織全体の運用管理費に充てられます。

手筒花火以外の奉納単価

手筒花火以外に、乱玉花火といわれる花火や小型煙火などで構成される仕掛け花火を協賛する場合もあります。乱玉花火では最低3万円程度から5万・7万・10万円程度、仕掛け花火では5万円程度~といった相場感でしょうか。金額が大きいので企業協賛の場合が多くなります。