蓄光塗料【1液変性ビニルタイプ・使い方具体例】《商品別マニュアル》

蓄光塗料《1液変性ビニルタイプ・使い方具体例》【ルミックカラー商品別マニュアル】 商品別マニュアル
この記事は約5分で読めます。

ご使用の前に

当記事に記載されている内容と「蓄光塗料《仕様書・標準塗装仕様書》」の記載事項に内容の相違がある場合、全ての場合で 「蓄光塗料《仕様書・標準塗装仕様書》」の記載内容が正規であり優先されることと致しますので、必ず「蓄光塗料《仕様書・標準塗装仕様書》」をご覧いただいてからご使用ください。

屋外使用の場合の蓄光カラーについて

当ページでは撮影のため分かりやすくカラー蓄光を使用しておりますが、屋外で使用する物に蓄光加工する場合、本来カラー蓄光は向きません。
当ページ撮影用に塗装した車止めでは、日没後しっかりと光っているのはPaleトーン・Lightトーンくらいで、Vividではほとんど光りませんでした。

屋外使用には着色されていないLumickColorベーシックからお選びいただくことをおすすめ致します。

  • 黒や紺など、加工面が暗い色の場合は白色を敷いた上に本製品を塗ることで発光パフォーマンスが上がります。
  • ご使用前によく振る、または棒などでよく撹拌してからご使用ください。ヨーグルトのようなドロッとした様子、或いは上澄みに透明液が分離した状態でも、撹拌することで通常の粘度に戻ります。

コンクリートへの吹き付け塗装

ルミックカラー蓄光塗料の変性ビニルタイプは、コンクリートへの用途に向けて用意された経緯があります。従って今回はコンクリートの車止めを装飾してみました。

前準備

蓄光塗料前に白を塗る

本来は下塗りを行ってコンクリートへの塗料吸収を抑えるのですが、撮影用試験ということで横着をして中塗りの白から塗装しました。ホワイト塗料は手元にあった市販のラッカースプレーです。

さすがに何回塗ってもコンクリートに吸われてしまいます。。。
ご覧のお客様はサボらずに下塗りをすることをおすすめ致します。2液型エポキシ系のシーラーなどが良いでしょう。

蓄光塗装

業界で塗装の仕方が違う?

今回は鈑金塗装の職人さんに塗装をお願いしました。彼いわく、看板屋さん・外装屋さん・鈑金屋さん、それぞれで希釈倍率と塗装の方法が違うそうです。板金塗装は比較的薄めの塗料を回数多く吹く業界だそうです。

従って今回紹介するデータは最も薄めで回数多く吹く場合の参考としてご覧ください。

エアブラシのタイプ

蓄光塗料に適したスプレーガンのタイプ

蓄光顔料は比重が重いため、塗料カップ内で蓄光が分離・沈殿していきます。そのため塗料カップが上にあるタイプでは詰まりやすく難易度が高めです(絶えず揺り動かしたり、うがいをするなどのテクニックで使用できないことはありません)。

塗料タンクを下に装着しエアーの圧力で吸い上げるタイプの方が蓄光塗料には向いています。

ノズル口径

LumickColor蓄光塗料を吹く場合、ノズル口径は0.3mm以上が望ましいでしょう。

希釈倍率

蓄光塗料希釈倍率

フタを開けスパーテルなどを使ってよく撹拌してください。

本製品をラッカーシンナーで適宜希釈してご使用ください。30%~50%希釈が標準です。今回は30%で希釈しました。

希釈した塗料を、100~150メッシュ程度のストレナーに通して塗料カップに移してください。

塗装(吹きつけ回数)

加工対象に吹きつけます。
十分な発光パフォーマンスとなるまでに、通常の塗装よりも吹きつけ回数を増やしてください。

ルミックカラー蓄光塗料吹付け回数

上記画像はアクリルラッカータイプの蓄光塗料・Blueベース0010番色の5トーン(Vivid・Strong・Bright・Light・Pale)を、50%希釈の条件でそれぞれ吹き付け塗装した様子です。変性ビニルタイプでは、30%希釈で上記画像アクリルラッカータイプとほぼ同じ条件となりました。

下の画像は実際に変性ビニルタイプで21回吹き付けした様子です。

ルミックカラー蓄光塗料車止め

9回程度で最低限のパフォーマンス
15回程度が適量
21回程度が上限

9回程度で最低限のパフォーマンスを発揮しますが、吹きムラ感が残りやす く、面積が広い場合均一に塗るにはテクニックが必要かもしれません。

15回程度でムラ感もなく発光パフォーマンスもしっかりしてきます。

21回程度までは、回数を重ねるごとにパフォーマンスは上がりますが、それ以上ではほぼ変わりません。膜厚も限界気味になってきます。

9回・15回というと業界によっては驚くほど多い回数ですが、今回の希釈倍率と1回の吹き付け量では表面の乾きが早いので、15回といっても極端に長時間を要するということはございません。

下の動画内で3回の塗装を行っております。連続、あるいは数秒~十数秒のエアーによる表面乾燥を挟んで最後まで連続で吹いています。

糸引きについて

変性ビニルタイプのスプレー吹き付け塗装では糸引きが激しく生じます。希釈倍率を上げてみましたが、この塗料樹脂の特性なのかある程度生じます。そのような状況下においても塗装面に影響はありませんでした。

空気中に舞い上がった糸引きした塗料が、作業面に付着しないよう環境を準備することで問題なく作業できます。

ハケ塗り

変性ビニルタイプはノビが良いのでハケ塗りが適しています。

蓄光塗料ハケ塗り

実際にハケ塗りを試してみました。スプレー吹きと比較したら圧倒的に楽です。今回のような用途であればハケ塗りをおすすめ致します。

尚、上記画像は1回で厚塗りした非常に乱暴な例です。標準塗装仕様書通り、4時間以上の塗装間隔を開け3回前後で分けて塗ることで上記画像よりきれいに仕上がります。

ご使用後

ご使用後の器具等は、ラッカーシンナーを用いて洗浄してください。

ご使用後の塗料は、フタをしっかりと締めて陽の当たらない場所で保管し、3ヶ月以内でご使用してください。

※規格瓶フタの内側パッキンにはテフロン加工が施してあります。フタをしっかりと閉め、保存環境が良ければ1年から2年経過後も問題なくご使用いただける場合がございます。(弊社実績)

関連ページ